Special Race Report
R2-1 全日本ロードレース選手権第7戦
GP250クラス 鈴鹿

決勝日 編集部リポート5


3周目に入り、ますます加熱する松戸VS大治郎のドッグファイトに観客も固唾を飲んで見守っている。130Rの進入で大治郎が松戸をパスし、シケインを切り返して♯100がトップでコントロールラインを通過。その差は0.235と超接近戦で2台のワークスがレースをリードする。

序盤から激しいドッグファイトを繰り返す


ハイペースな接近戦は 集中力がカギ
3位争そいも混沌としており、大崎(SP忠男レーシングチーム)、嘉陽(F.C.C. TSR)、宮崎、酒井(ENDURANCE)と続く。テールトゥーノーズのバトルを繰り広げるトップ2台の戦いは続く。
ラップタイムで僅か大治郎が上回っている。しかし、大きく離れるという程ではない。6周目のストレートでは松戸がスリップストリームを利用し1コーナーで再びトップに立つ。第5戦で観せたバトルを彷彿させるレースが展開される。一歩も引かない両者の行方はわからない。その差0.172。様子を見ながら隙を覗う大治郎。振り切りたい松戸。高度な神経戦でもある。3位争そいのグループが大きく離れている。8周目のラップは2台のワークスが11秒前半、3位集団が13秒前半と1周につき2秒ものタイム差を開いていることからもワークス勢の極限バトルが覗い知れる。

ハイレベルな限界バトルが観客を魅了した
9周目のバックストレートから130Rで先程の借りを返すかのように松戸が意地を見せ並びかけ、シケイン飛び込みで前へ出る。しかし、大治郎は焦らず松戸のスリップに付くが1コーナーでは仕掛けない。上手く立ちあがり得意の西コースでの勝負となりそうな11周目の攻防の最中に突然「転倒〜!!」という場内アナウンス。まさか!モニターに映し出されたのは♯3グリーンのマシンである。S字コーナーで松戸は痛恨の転倒を期してしまう。高度な駆引きと最上の心理戦の末の決着であった。その瞬間を「後は僕次第。集中して残り周回を積み重ねるだけだ」と大治郎は後で振り返った。


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