Special Race Report
R2-1 全日本ロードレース選手権第7戦
GP250クラス 鈴鹿

現地速報

<予選 その2>


迎えた午後のセッション。GP125クラスの公式予選2回目辺りから天候が急速に回復し、ストレートを通過するマシンの水しぶきが小さくなるのを確認すると、チームホンダのピットは慌しく動き始める。気温の上昇や風が吹いて来た状況から路面は急速に乾いてくる事も想定しての作業となった。
大治郎が駆るNSRの周りにはレイン、カットスリック、スリックタイヤが用意され万全の態勢がとられる。サーキットを厚く覆っていた雲間から青空が見えて来て、これから行われるGP250の公式予選にどう影響をもたらすのだろう。サーキットには強い陽射しが差し込み、午前のタイムを上回る事は間違いない。
メカニックの手によってNSRがピットに準備され、大治郎もライディングスーツに着替えてスタンバイ完了。レインウェアを脱ぎ、いつものカストロールカラーが晴れたサーキットに映える。いよいよGP250公式予選2回目のコースインが迫る。
NSRにはレインタイヤが装着されていたのだが、コースインの直前にカットスリックに履き替えられる。午前のセッションでトップタイムをマークした松戸のYZRはレインタイヤを選択してコースに出た。遅れて大治郎もコースイン。マシンが周回を重ねる度にレコードラインが乾いてくる。序盤にトップタイムを出したのは大治郎だ。タイヤはやはりカットスリックが良いようで松戸を始めとしたレインタイヤを選択した選手達は1周でピットに戻りタイヤ交換をして再びタイムアタックに向かう。
気温も上がり、風が吹き始めたため予想よりコースが早く乾いてきた様子である。ただ部分的には路面のギャップに溜まった水がコースを流れ、不安定な挙動をコントロールすることの難しさに各ライダーは果敢に挑み、タイム短縮にアクセルを開ける。
2戦連続でポールポジションを獲得しているF.C.C. TSR の嘉陽哲久は転倒による右足首の骨折により歩くことも辛そうな状態を推して出場してガッツを見せる。しかし、ドライコンディションでのハードなライディングでの体にかかる負担は想像を絶するものであり、決勝でどこまでのライディングを見せてくれるのか、前回の第6戦SUGOでの走りで初優勝目前までいっての転倒リタイヤに奮起する嘉陽に注目が集まっているが…。
大治郎はその後、なかなかクリアラップが取れず遅いマシンに引っ掛かりながらもアタックを続ける。うまくタイミングを見つけた松戸がトップに立ち、予選は終盤毎周のようにタイムが更新されて行く。残り10分を切ったところで大治郎がピットイン。微妙なコースコンディションにライダーの判断も揺れる。スリックかカットスリックか?チームホンダでは一旦スリックタイヤを履かせたが、大治郎はカットスリックを希望し即座にタイヤ交換となる。一部区間での水の流れがマシンコントロールに危険と判断したことと、リーダーボードに表示されているタイムをカットスリックタイヤでも十分に逆転出来ると読んだのだ。
GO!スタッフは見守る事しか出来ない。残り時間はあと僅か。

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