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1998年全日本チャンピオンマシンのYAMAHA YZRを中野真矢から引き継いだ松戸直樹は開幕4連勝と快進撃を続け、1999年のシリーズを大きくリードした。一方、大治郎は昨シーズンからNSRとのマッチングに苦しんで苦しいライディングを今シーズン序盤まで引きずった。加えて、プライベーターの中から嘉陽哲久が急成長、ワークスの2台に割って入る速さを見せ始め台風の目となり、チャンピオン争いの鍵を握る存在となった。安定したレースを観せる松戸。がむしゃらに速さをアピールする嘉陽。そんな中で大治郎&チームホンダはハードワークをこなして課題を一つひとつクリアしながらマシンの改良を繰り返し、着実にNSRの性能を向上させて行った。予選では、不安定ながら大治郎の持つ類い稀なライディングセンスによってポールタイムをマークするシーンも見られたが、マシンとライダーのマッチングという面からはまだ、決勝でハイペースを維持し続けるまでには至らなかった。2位というレースが続いた…。
第5戦もてぎラウンドでようやく優勝した大治郎だが、最終ラップのワンチャンスにかけた松戸とのブレーキング勝負に打ち勝っての僅差での勝利であった。YAMAHA勢にすれば余裕の2位であったろう。この時は…。しかし、何かが変わったレースでもあった。1年7ヶ月振りの優勝に失いかけていたモチベーションと自信がチームと支えるスタッフにも蘇った瞬間でもあった。諦めない!強く語るスタッフの目は情熱に溢れていた。“大治郎の勝利”それは、多くが待ち望んでいた希望であった。自信をもって望んだ鈴鹿8時間耐久レースでも、世界中から集まったトップライダーを相手に堂々のトップタイムで周囲に改めてその天賦の才を証明して見せた。大治郎の中でも何かが変わった。
その間、松戸は前半戦の活躍を評価してもらい、スポット参戦ながらWGPへの挑戦となったのだが、転倒による怪我で無念の帰国となる。運命のいたずらか、レースに措ける流れが少しずつ変わりかけていた。「その速さは世界でも通用する」と多くの関係者から称された鈴鹿8耐での大治郎の走り、世界で転倒してしまった松戸の焦りが終盤戦にどう影響するのか?注目が集まった。 精神的に優位であるはずの松戸がまさかの転倒ノーポイントレースとなった第7戦鈴鹿。勝利した大治郎は精神的にも復活する。そう、色んな意味を含め大治郎らしくなって来た。
チームも大治郎にとっても、そしてNSRにとってもシーズン最大の山と思われた第8戦筑波は、非常にタイトなコーナーの連続でコーナリングでの自由度の高いフレキシブルなマシン性能を要求され、昨シーズンから今シーズンにかけて転倒が多かったサーキットであったため、大治郎がどのように戦うか?逆転チャンピオンを占う意味でも大きなレースであった。そのレースを独走で決めた。流れを完全に掴んだ感のある大治郎は長いインターバルの間も集中力を切らす事無く、高い次元で気持ちを維持し、臨んだ第9戦TIサーキット英田での完全優勝でチャンピオン獲得への条件を互角にまで引き寄せた。ここまで来れば3ポイント差は関係ない。自分の持てる能力を最終戦で如何に発揮出来るか。只、それだけだ。
WGPから宇川徹、中野真矢の両選手が帰国してもてぎの最終戦に参戦して来るが、大治郎と松戸という今シーズンの主役2人が見る視線の先にはトップで通過するゴールしか見えない。
先週行なわれた、最終戦の事前テストで大治郎は1分52秒1という驚異的なタイムをマークしている。従来のコースレコードは今シーズン第5戦の公式予選で嘉陽が記録した1分54秒291。
2000年へ翔たけ大治郎!!
No |
ライダー/チーム |
Rd1 |
Rd2 |
Rd3 |
Rd4 |
Rd5 |
Rd6 |
Rd7 |
Rd8 |
Rd9 |
Rd10 |
合計 |
|
1 |
3 |
松戸 直樹/BP YAMAHA RT |
20 |
20 |
20 |
20 |
17 |
20 |
17 |
17 |
151 |
||
2 |
100 |
加藤 大治郎/Castrol HONDA |
17 |
17 |
17 |
20 |
17 |
20 |
20 |
20 |
148 |
||
3 |
5 |
山口 辰也/カストロールTEAMハルクプロ |
10 |
15 |
10 |
4 |
9 |
11 |
8 |
15 |
13 |
95 |
|
4 |
11 |
中冨 伸一/Team高武RSC |
15 |
11 |
10 |
13 |
15 |
7 |
13 |
10 |
94 |
||
5 |
10 |
嘉陽 哲久/F.C.C.TSR |
6 |
11 |
17 |
15 |
15 |
13 |
15 |
92 |
|||
6 |
71 |
宮崎 敦/TEAM DAYTONA ZERO |
8 |
15 |
13 |
11 |
7 |
17 |
10 |
8 |
89 |
||
7 |
56 |
大崎 誠之/SP忠男RT |
9 |
13 |
6 |
11 |
10 |
13 |
11 |
8 |
9 |
89 |
|
8 |
9 |
関口 太郎/HITMAN RC甲子園 |
13 |
10 |
13 |
10 |
15 |
11 |
72 |
||||
9 |
12 |
江口 謙/SP忠男RT |
11 |
8 |
8 |
8 |
7 |
4 |
6 |
9 |
5 |
66 |
|
10 |
36 |
酒井 大作/ENDURANCE |
7 |
9 |
3 |
8 |
9 |
10 |
11 |
7 |
64 |